昭和を感じる言葉というアンケートを目にしました。すべて死語ではなく現役活用中のオジサンですが、その中で「ちり紙」っていう言葉でいつも思い出すシーンがあります。
「昭和」を感じる言葉1位「えもんかけ(ハンガー)」 | ネタ・おもしろ・エンタメ | 大学生活 | マイナビ 学生の窓口
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スコッティかクリネックスか
小さい時、祖母に言われてわからなかった言葉があります。
おばあ:「口の周りが汚れてるよ。スコッティとってあげようね。」
少年:「・・・」
「スコッティ」がどうしてもわからず、何それ???な状態に陥りました。何かと聞くと「これだよこれ。」と言って持ってきたのが「ちり紙」でした。
そう、これはおそらく沖縄あるあるで沖縄の年寄りはティッシュ様のことを「スコッティ」と呼ぶのです。「ちり紙」をも超越した、なんともハイカラな呼び方です。エリエールだろうが、ネピアだろうが「スコッティ」と呼びます。ポケットティッシュでも「スコッティ」です。これはスーパーの袋を「ヴィトン」と呼んでいるようなもので、子どもながら不思議に思っていました。
まさかと思って、スコットランドのウィスキーを持ってきて何て呼ぶか尋ねたら「スコッチ」とちゃんと呼んでいました(嘘)。
あれから20年
そんなやりとりから約20年過ぎたとき、カナダ人教授が言うのです。
先生:"Could you hand me a kleenex?"
青年:"・・・"
そう。カナダ人はスコッティ派ではなく、なんとクリネックス派だったのです。スコッティでもクリネックスと言うんです。これは「ヴィトン」を「コーチ」と呼ぶようなもので、これも実におもしろいです。日本でもフォトメールのことを「写メ」と呼んだりしますが、ティッシュ界においても絶大な勢力を誇る二大ブランドが世界では猛威を振るっているようです。
まだ解析中の言葉がある
おばあ:「ごはんだけで寂しくないの?トゥーナーあげようね。」
オジサン:「・・・」
そう、祖母は「ツナ缶」のことを「トゥーナー」と発音するのです。欧米化!とつっこみたくなるほど「túːnə」に近いネイティブな発音をします。どっちが古い人間だか錯乱してしまいそうになります。英語教育を進めた半世紀後ぐらいには孫あたりが「túːnə」と発音していそうな気がします。なんというばあちゃんでしょうか。
こういう言葉は突然出てくるので、まだまだ研究過程なのですが、例として
おばあ:「レイスィが一番おいしいよね?とってきて。」
オッサン:「・・・」
わかりませんよね?何だよ、何がそんなにおいしいんだ?食べ放題なんかで急に言われて困ってしまいます。
そう、その答えは「ライチ」です。これももろアメリカの影響受けてます。ウィキでもレイシとあるように、レイシともいうようですが、もっと「Lychee」な発音です。
祖母にとって昭和の言葉は「ティッシュ」や「ちり紙」よりも琉球政府時代の米国から届いた「スコッティ」や「トゥーナー」という言葉の方がピンと来るのかもしれません。言葉というのは実に多用に急速に文化に溶け込んで行くものですね。