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何も知らない人は初めて『AUKEY』とみたとき『ANKER』のパクリかと思うでしょう。でも、その中でちゃんとAukeyやAnkerいついて調べた人がどれだけいるでしょうか。実は会社の設立も実績を作ったのもAukeyの方が早いんです。
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会社の設立は2005年、Ankerよりも早い
会社の設立はAnkerよりも4年以上先!と言い切るのはちょっとミスリードです。ごめんなさい。徳国傲基国際公司(Aukeyブランドの運営会社)の登録を確かにドイツで2005年(2003年にもドイツで会社の登録をしている模様)にしていますが『Aukey』というブランドを立ち上げたのは実は2013年です。Ankerが2011年に湖南省で本格的に事業を立ち上げていますから『おいやっぱパクリじゃねえか!』と言われても仕方ありません。100歩譲って名前はパクったとしても、こちらの方が先に実績を作り上げています。
ebayで『借船出海』の方式で2010年にすでにドイツ市場で売り上げ第一位の実績を残しています。世界初QC2.0のダブルUBSポート急速充電器を出したのもAukeyです。60W6ポートだぁ、とかなんとか言ってるのはその延長線上だと見ても良いと思います。
2001年ドイツに留学し、その頃のドイツ語だけを勉強する生活に不安を覚え2003年(会社のウェブサイトでは2005年)に会社を登録し本格的にebayやAmazonでマーケティングを始めたそうです。売り上げは1000万元(約1.9億円)近くあったそうです。当時は車載DVDやGPSを売っていたんだとか。
調子にのってebayで20個のユーザー登録をして100万ドル稼いだのはいいんですが、そのあとすぐにすべてのユーザー登録を取り消されちゃったりと苦労もあったそうです。それにめげず、クリスマス商戦で儲けを取り返そうと借金をして準備した商品もすべて税関で没収にあったりと、そんな苦労話も耐えないようです。
今では笑って語っていますが、こうやって会社を支えて投資をして作ってきたのがAukeyのバッテリーやケーブルなわけです。
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Auは『金』の元素記号、Keyは『鍵』、二つ合わせて『Aukey』というブランド名を立ち上げたそうです。理念もAnkerと似ています。安くて質の高い中国ブランドを世界に広めたい、その世界への扉を開くのが『金の鍵 Aukey』ということだそうです。そういえば、Aukeyのウェブサイトのファビコンも鍵穴ですね。仁徳天皇陵とか気に入ってくれるかも?
かつて日本にも安かろう悪かろうでは無く、安くても質の高い製品を提供しようとした通信会社がありましたが、その後どうなったでしょうか。
▶FREETELのSimpleが想像以上にガラケー(ガラクタ携帯)だった件
CEOはもうちょっとで『80後』の『海亀族』
from:http://blog.sina.com.cn/s/blog_5562b9c40102v4ej.html
CEOの陸海伝さんは1979年生まれで、ぎりぎり80年代生まれの『80後』ではありませんが、年代もAnkerのCEOと近いですね。
(80後や海亀族についてはAnkerの記事にあります)
目標は永遠の300名体制
ドイツに行ったときに感じたそうです。「ドイツ人300名分の給料は中国人1000人分の給料よりずっと高いアル・・・。でも確かに彼らは中国人1000人分の働きをするアル。」
CEO曰く「しっかりと管理すれば高い効率で、300人でも1000人分の仕事ができるアル!でも、儲けたからって社員が増えると管理が難しいアル。我々は厳選されたエリート集団300名を集めて、永遠の300名体制を確立するのが目標アル( `ハ´)!」
う~ん、やっぱりちょっと普通の中国人ではないようです。質やサービスを重視した経営理念とそれを実践しているのはすごいですね。口では何とでも言えますが、実際は全国各地にチェーン店を増やして自滅するなんてパターンが多いです。Aukeyにはこれからもしっかりとした品質管理で、クオリティーの高いモバイルバッテリーを提供して欲しいです。
CEOの陸さんは浙江省温州人です。温州人は中国のユダヤ人といわれ、商売に関しては絶対的な優等生だとされています。正直、この2社はどちらもぱくりぱくられのAppleとSamsung、楽天オークションとヤフーオークションみたいな関係だと思います。二社を分別するために『経営のAukey』『技術のAnker』というフレーズを思いつきましたが、Aukeyの方が先進的なアダプターをだしていたり、Anker側に元Google Chinaの運営トップがいたりとどちらも切磋琢磨な感じで簡単には分類できそうにありません。
Xiaomiとも仲良くやっていくとAnkerの幹部が口にしていることから、別に国内で犬猿の仲といういがみ合いの仲ではないように感じます。二社がお互いに高めあっていく様子を第三者のオジサンはわくわくしながら高みの見物をし、良い製品が出たら見境なく飛びつくというスタンスでいようと思ってます。
余談
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中国では日本で普及する前に、MP3プレーヤーが先に普及していました。日本ではまだMDプレーヤーが現役のときに、すでに中国人はMP3プレーヤーを楽しんでいたわけです。ネットやPC文化がより根強く中国では浸透していたんですよ。日本でiPadやiPhoneが知られる何年も前に、音楽をダウンロードして携帯電話やMP3プレーヤーで聴くなんてことを当たり前の様にやっていました。
そんな中、MP3の充電がパソコンのUSBポートだけでは足りないぞということで家庭用コンセントからUSB充電ができる変換アダプターの普及も日本より何年も早かったのです。このような背景もAukeyやAnkerのようなブランドを生む要因になったのだと推測します。
日本で「家庭用コンセントからUSB充電できるやつ下さい」と某量販店の店員さん尋ねると「え?そんなのありませんよ。パソコンから充電してください(笑)」と笑われたのをオジサンはいつまでもいつまでも根に持って覚えています。
この言わばUSB充電後進国である日本が、今では「中国製の割に質がいい」だとか上から目線で口にするのはおろか、Aukeyはパクリ企業だのなんだのとよく言えたもんだと感じるのは私だけではないはず。中国で普及する何年も後になって、ようやく日本でもACアダプターのUSB充電器が売られるようになったのですから(TдT)
さて、この記事を書いて数年が経過しました。今のAukeyの印象はどうでしょう?中国勢のスマートフォンやPCのクオリティはいかがですか?逆に、日本の家電業界の勢いはどうでしょう?独創的で世界を沸かせる製品を作り続けているでしょうか?