大型IPOとして投資家の注目を浴びていたソフトバンクは本日東京証券取引所第1部に上場しました。初値は1463円で、その後も徐々に値を下げ続け終値は1282円。公開価格の1500円を大きく下回る結果に一攫千金を夢見ていた投資家たちの中で泣き崩れていた方も多かったのではないでしょうか。
ヤフー株のような70万円の株が3億円以上にも膨れ上がる妄想をしながら、楽しく上場の日を迎えた人も多かったはずですが、結果としては直前の前評判通りといった感じで終わりました。このような結果になってしまったのも、直前の通信障害や、PayPayでのクレジットカード不正利用及びその対応への不満といった事象が大きかったようです。
ガジェット大好きおじさんとしては、TUKA→J-PHONE→Vodafone→ソフトバンクモバイル→ソフトバンクときて、新たな社名に変わる時期かと思うぐらいに重要な時期に勅命していると感じています。
と、いうことで通信障害から本日のソフトバンク(株)【9434】の上場までのタイムラインまとめを作ってみました。
目次
12月6日全国でソフトバンクの携帯電話サービスが使えない大規模通信障害が起こる
12月6日17時現在、通信障害エリアが拡大してます
先程の対象の地域+東北地方や北海道の各地等、ほぼ全国各地になりました
圏外の場所が依然として広がっている一方で、直った地域や、3Gなら繋がる地域もあるみたいです
そしてGLAYのLIVE等にも影響が。#ソフトバンク#通信障害#GLAY#ライブ pic.twitter.com/Bbv8YnAi9O
— Roki@忘年Roki会余韻(●´ω`●) (@ask5557) 2018年12月6日
(発生日時)2018年12月6日(木)午後1時39分ごろ→(復旧日時)2018年12月6日(木)午後6時4分の間、4時間以上も全国でソフトバンク系列の携帯電話通信サービスが使えなくなるという通信障害が起こりました。
この通信障害の状態が続いた時間が長かったこともそうですが、適切な説明がなかったことが大きくユーザーや一般人の信用を大きくそこないました。この事件を起因とした解約も1万件近くあったそうです。初動やどのような対応をするかで大きく変わった結果ではないでしょうか。
上場前ということもあり、詳細についてはいいたくても言えないような状況であったかもしれません。「え?そんな脆い体制でやってるの?」「バックアップ技術もなくて5Gとか大丈夫?」なんて思われると立場がないですもんね。
実は今年2月にも都内を中心に大規模通信障害があった
2月19日の午前9時30分から午後6時44分までとこちらも相当長い期間通信障害を起こしており、総務大臣からも「電気通信事業法上の重大な事故に該当する可能性が高い」と厳しいお言葉を叩きつけられていました。もちろん投資家たちはそのようなことを念頭に置いていますから、会社の規模的には大型IPOで注目されていましたが、公開価格予想が決して高いものではなかったのはこのような理由もあってのことでしょう。
そんなトラブル続きのソフトバンクさんですが、過去記事の「一番つながる、一番速い。世界一と自負している」という孫会長の言葉を今読み返すと痛々しい。
今年9月にはメール1030万通消失という事件も
迷惑メール対策の不具合ということで起こった1030万通のメール紛失事件。436万人の人に届かないメールがあったそうです。「次から気をつけます。」では解決しないようなメールも中にはあったと思いますが、一つ一つを賠償するのはきっと無理でしょう。
追い打ちをかけるのはHuaweiと米国との通信戦争
12月1日カナダ当局に逮捕された孟晩舟氏のニュースが通信障害の起こった6日、7日あたりに中国が米国を厳しく批判することで問題が再度加熱しました。
この事件がまたまたトラブル続きのソフトバンクに飛び火して、Huawei製品を大きく扱っていたり、基地局そのものも米国から批判を浴びた中国ベンダーのものを採用しており、上場前にとんでもない状態に陥ってしまいました。ちなみに本日19日の会見では技術的に重要なコア部分では中国ベンダーを採用しておらず、4G LTE用のMassive MIMO対応無線機などに採用しているとの説明でした。
AirターミナルなどもHuawei社製なので、いきなりすべての関係をばっさりというのはかなり難しそうです。
PayPay100億円祭りのあとに次々と発覚したクレジットカード不正使用問題
日本中のビックカメラにお客が殺到したPayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」。大反響により12月13日で終了してしまいましたが、たくさんの人がPayPayアプリをダウンロードし利用を楽しみました。
しかし、そんな中起こったのがクレジットカードの不正使用によるPayPayの利用です。恐ろしいことにPayPayに登録していないユーザーも被害にあっており、しらない間にカードからPayPay利用分を請求されていいたという事件が相次ぎました。
#paypay不正利用 が話題だけど、支払い登録に必要なのはカード番号、期限、セキュリティコードだけ。
氏名登録や3Dセキュア認証無しで支払いを承認しちゃうのだから不正利用側は楽チンこの上ない。もしかしてJCBが #paypay で使えないのは、この #paypay の仕様では加盟店として認めなかったから? pic.twitter.com/1Z2fOW5KZW
— ぱる☆ミ (@minkypal) 2018年12月15日
疑われている原因の一つが、「セキュリティコードの入力を間違っても、何度でも入力し直せる仕様になっていたため。」ということです。アップデートにより入力回数に制限を設けたとしていますが、不正利用者がアップデートを行わず旧バージョンのPayPayを使って総当たり攻撃を続ければまだまだ被害は増えそうです。
クレカ不正利用が発覚した後のPayPayの対応がひどい
■PayPayを利用したことがない場合、レシートを見ても対象の履歴がなかった場合
お客様の携帯電話やクレジットカードを知りえるご家族様や知人のかたの利用の可能性についてご確認ください。
ご家族の方も含めてご利用にお心当たりがない場合は、ご利用のクレジットカードが不正に利用されている可能性がありますので、速やかにカード会社へご連絡ください。
from:PayPay-Help
上記の案内がまずPayPayより出され、要約すると
・クレジットカードの不正利用はPayPay悪くない
・家族や友達が勝手に使ったんでしょ?
という風に捉えられ、これが猛烈なPayPay批判・不満につながりました。もちろんその不満はソフトバンクの信頼に直結するものでした。
その後批判を受けてかはわかりませんが、案内文から「家族や知人への確認」について書かれた文が消えています。
そして迎えた上場日、大引け後の会見にみるソフトバンク
さすがい時期経団連会長に孫氏を推す経済界は優しいですよね。「タイミングが悪かったね。」と。確かに悪かったのですが、どれもソフトバンクの会社としての資質が問われるものが根本的にあるものなので、そこを指摘せず、あたかも経済の不安定さから来た軟調ともとれる記事の内容に「もうちょっと厳しくする愛もあるのよ。」と思ったりもしました。
オレは悪くない悪いのはエリクソン
「エリクソンに頼りすぎていた」という見出しはCNET Japanさんの狙いなのか、「いや、悪いのはエリクソン。」ともとれる発言に
TUKA→J-PHONE→Vodafone→ソフトバンクモバイル→ソフトバンク、この次を担う通信事業者が必要な時がきたんじゃないかな~とも感じています。
今回の事象について
スウェーデンのエリクソン社製交換機のソフトウエア不具合により、世界11カ国の通信事業者にてほぼ同時刻にご利用できないまたはご利用しづらい事象が発生しました。
本事象は同社の提供する交換機のソフトウエアにおいて有効期限(デジタル証明書)が誤って処理されていたことに起因します。
また、有効期限はエリクソン社にてソフトウエアを出荷する際に埋め込まれており、当社からは確認することができませんでした。
詳しくは同社プレスリリースをご参照ください。<エリクソン社プレスリリース>
Update on software issue impacting certain customers
https://www.ericsson.com/en/press-releases/2018/12/update-on-software-issue-impacting-certain-customers
こちらの企業IRをみると、
・ソフトウェアの確認はソフトバンクではできないので、完全にエリクソンにやられた。
ということで、投資家にアピールする形であるとは思うのですが、12日にだしたこちらのIRがあまり良い印象を生まなかったのは今日の売買をみても察しがつきますね。
ソフトバンクだけに限らず、日本の通信業界、特に大手携帯キャリアの皆さんには利益優先はもちろんビジネスで大事なことですが、ユーザー目線ももっと大事にしていただきたいと思いますう。明日は我が身ということでもっともっと改善できるところあるんじゃないでしょうか、是非真摯に考えて頂きたいです。
ということで、明日以降もソフトバンクの株価、Huaweiへの世界の対応などに注目していきたいと思います。
色々書きましたが、当ブログをささえてくれているのは実はソフトバンク光なのは内緒です(*ノω・*)テヘ