Photo:Volcano By Jesse The Traveler
前年度に比べ大幅に売り上げが下がると御嶽山周辺の観光業を生業にしている方々がお困りのようです。でもそれって風評被害によるものでしょうか。
【御嶽山噴火】「これからどうなるのか」 キャンセル700人…観光業悲痛 深刻さ増す風評被害(1/3ページ) - 産経WEST
産経新聞の記事によると、御嶽山近くのスキー場やペンションが軒並みキャンセルで悲鳴をあげているというのです。そして経営者たちの中にはこれを「風評被害」といい、実際に来て安全だということを確かめてほしいと切に願っているとのこと。
政府も学者も科学的に噴火を予測するのは不可能という中、何をもって安全宣言をしているのでしょうか。実際にすぐ側は通行止になっているのに登山禁止区域さえでれば、そこはもう安全に過ごせるのでしょうか。やはり心配だなと考える旅行者がいるのは当然のことと思います。
御嶽山の噴火、予知は不可能 仏火山学者 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
そもそも風評被害とは何なのでしょう。
デジタル大辞泉の解説
ふうひょう‐ひがい 〔フウヒヤウ‐〕 【風評被害】根拠のない噂のために受ける被害。特に、事件や事故が発生した際、不適切な報道がなされたために、本来は無関係であるはずの人々や団体までもが損害を受けること。例えば、ある会社の食品が原因で食中毒が発生した場合、その食品そのものが危険であるかのような報道のために、他社の売れ行きにも影響が及ぶことなど。
デジタル大辞泉の解説は私の理解している内容と同じでした。もし御嶽山周辺が謂れの無い噂によって危険だと判断されているのだとしたら、風評被害だと思います。例えばあたり一面マグマが流出しているだとか、火山灰で目もあけられないであるとかいった噂によるキャンセルは風評被害だと言えるでしょう。
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しかし、今回は噴火が起こり、近い将来周辺にも影響が及ぶような惨事が万が一起こるかもしれないので、しばらく様子を見るというのは風評被害とはいえないのではないでしょうか。
911の後は、沖縄での旅行キャンセルが相次ぎました。福島の原発事故以降は東北の食物の売れ行きに影響が出ました。しかし、これらすべて風評被害によるものでしょうか。風評被害といって、他人の同情を買うような商売はサービス業の在り方として誇れるものでしょうか。
活火山の登山を頼りにした観光業を省みて、新たな事業を起こすようなパワーを爆発させてほしいものです。