台湾の国外でのマナー喚起の記事がいつの間にか「台湾人お断りの記事」になっていました。さすがRecord Chinaといったところでしょうか。
レコチャイが記事にする前に偶然見ていた
数日前からFacebookに「こんなこと海外でするのは恥さらし!食事の5大NG行為。」というタイトルで台湾人や香港人の間でたくさんシェアされた記事が目につきました。
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你這樣出國很丟臉耶! 5大吃飯NG行為 | 即時新聞 | 20141210 | 蘋果日報
内容は、京都の老舗鰻屋廣川の女将さんが「台湾人、香港人、中国人の華人全般はちょっと勘弁してほしい」というその5大NG行為が書かれたものです。
その5大NGとは
1.幾個人一起到店裡,卻只點一份:数人で来店しても一人前しか注文しない。
2.吃完之後一直聊天,雖然外面大排長龍…:外は長蛇の列にも関わらず、食後もずっとお喋りをする。
3.有預約卻不出現或遲到:予約があるにもかかわらず来店しないor遅れてくる。
4.說話很大聲,接手機講話:話し声が大きい、携帯電話で喋る。
5.拍攝食物費時又恐侵犯私人權利:食事の代金をむやみに撮るとプライバシーの侵害になる恐れがある。
というものです。
5番はちょっとわけがわかりませんが、どれも常識でその辺のファミレスならともかく、京都の老舗鰻屋なんかでは普通しないことです。(※5については、酔っ払いを携帯で撮影してただけで友達は捕まったとかいう理由から日本でやたらと撮影することを警戒しているようです。)
ネット上で様々な意見が飛び交った
そしてこの当たり前のことというのがポイントで、様々な意見がでるところなんです。「恥ずかしいな、こんなことも守れないのか。そんな奴は台湾から出るんじゃない。」といった台湾人を諫める人々。「え?一つの料理を分け合って食べるのはダメなの?いつもやってたけど。」と自らの行為を反省する人々。そして、この記事の一番の狙いだと思われる「こんなの日本人だってやってるじゃないか!なんで台湾人や中国人ばかり文句を言われるんだ!」と日本人に対して敵意を持つようになる人々。
すごく怖いのは、この記事が事実だと思われてみんなが意見しているところなんですよね。以下のような疑問をもって記事を読んだ人がどれだけいるでしょうか。
- 京都にこんなお店が実在するのか?
- 予約をキャンセルする台湾人というのが本当に台湾人なのか?
- 中国語を喋る客を、日本人が中国人、台湾人、香港人、シンガポール人など見分けることができるのか?
仮に疑ったとして、何人が自ら真偽を確かめたでしょうか。大半は、この記事が本当だと信じて、コメントを残しているから恐ろしいです。
後の直撃インタビューで「そんなことはない。台湾のお客さんは大歓迎。こんな報道がされて複雑な気分です。」だとお店は応えています。
「我們不會拒絕台灣客人,台灣人都是很開心來這邊用餐,我們對台灣人很有好感,所以對於這樣的傳聞,心裡很難過。」
レコチャイではタイトルが歪曲された
華人全般がやっかいだとされていた記事は、なぜか「台湾人お断り」「台湾人を嫌がる5つの理由」に変わっています。
Yahoo!ニュース - 「台湾人お断り」浅草のお店が台湾人を嫌がる5つの理由―日本 (Record China)
5つの理由も、より過激的ないいまわしになっています。「みみっちい」だとか「すっぽかす」などという下品な言い回しです。
「(翻訳・編集/KT)」と文責にイニシャルで投稿する時点で信用に値しない記事ですが、ひどいものです。
レコードチャイナの方は、「日本人の台湾人に対するイメージダウン」を狙った記事だとわかります。
一方、台湾の中国語記事ではそこまであからさまではないですが「台湾人の日本に対するイメージダウン」を何割かの訪問者に対しては成功させています。
終わりに
これは、何も日台関係だけの問題ではなく、様々な商品や企業イメージなど多くの場で利用されている手法です。
専門家がいっているとか、友達の知人が確かに体験したことだとか、みんながいっているからという理由で物事を判断するのは避けましょう。
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