最近UMPCばかり追いかけている自分にとって、いかにこの環境を快適なものにするかというのは大きな課題です。OneMixやGPD PocketのようなUMPCではちょっとした編集作業やメール程度なら卒なくこなしますが、動画の編集やブログの編集、写真の加工などを本格的にやろうとすると作業効率は一気にさがります。そういうこともあり、折りたたみ液晶や、紙のように薄い曲がるディスプレイなんてガジェットのニュースがあると飛びついてみてしまうのですが、まだまだその技術が一般ユーザーのもとに届くのは先のようです。
そこで、以前から注目しているのがポータブルディスプレイなんですが、私の中で今最も手に入れたいと思っているのはASUS ZenScreen Touch MB16AMTです。でも発売がもう少し先になりそうなので現時点では購入候補に上がりません。
Asusさんはこの手のポータブルモニターをだいたい1年周期ぐらいで刷新してきます。2017年にはMB16ACを、2018年にはバッテリーを内蔵したMB16APを日本でも販売しています。どちらも良い製品で、すごくほしいんですが、2017年の製品でもまだ3万円ぐらいします。2018年のMB16APはまだ4万円以上しちゃうのです。そうなると、タッチ機能を加えたMB16AMTは4万円以上するのは確実です。
4万円以上するならもう15.6インチのLapBookのような中華PCを買ってもおつりがくるわけですから、貧乏センサーが反応して中々購入に至れません。ただ、Asusの功績は偉大で、中華勢もこの大ヒットにあやかろうとどんどん安いモバイルモニターを投入してきています。
以前もgeekbuyingで約200ドルという価格でモバイルモニターのセールがありましたし、1.5万~2.5万円ぐらいの間で13インチ~15インチクラスのモバイルモニターが購入できるようになっています。
そして、みんな大好きAmazonにおいても格安中華モバイルモニターが賑わっており、頻繁に割引クーポンが配布され3000円OFFや5000円OFFのときに購入すれば2万円程度で15.6インチのモバイルモニターがAmazonでも購入できます。「安い!」と思って私もついつい聞いたこともないモニターに手を出してしまいました・・・(よく失敗するパターン)。
というわけで今回は、アマゾンで運良く3000円OFFクーポンで購入することができた「EVICIV 15.6 モバイルモニター」について購入レビューを残しておきます。先に良い面と悪い面をまとめるとこんな感じ。価格の割にやりたいことができているので、後悔はしてないです。
目次
モバイルモニターで何ができる?
大袈裟にこんな大きなモニター持ってなにかメリットあるのかというと、Asusの公式動画にあるように、持ち運ぶ労力に応えられるだけのメリットはたくあんあります。モニターが2つあるだけで、調べ物をしながら資料作成をするといったことが実に効率的にできます。
SEやPGでなくてもちょっとしたウェブ関連の編集作業を行ったり、一般的なオフィスワークでも「縦画面がもう一つあればな~。」なんていうことは多いはず。こんなに気軽に画面を回転させるのはノートパソコンでもなかなかできません。モバイルモニターの特権といってもいい機能です。
安いけど基本はきっちり抑えている
今回購入したEVICIV 15.6インチモバイルモニターも約2万円という割引価格ながら、基本はしっかりおさえています。
HDMIポート、Mini DPポート、USB Type-Cポートから映像データを取り込むことができ、様々な機器に対応します。ノートパソコンのマルチモニターとしてはもちろん、自作デスクトップやデジカメとつなげて簡易モニター的な使用もできます。Raspberry Piの液晶画面として電子工作を楽しんだり、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)とつなげればどこでも大きな画面でゲームを楽しめたりと、豊富なインターフェイスによってカバーされる機器類は様々です。Fire TV Stickのようなスティック型PCをつなげるとスマートTVや簡易PCとしても使えます。
スマートフォンとつなげれば、iPhoneやandroid機器を大画面化することも可能です。
OTG用のポートもあるため、マウスやキーボードをハブ接続して小型PCを快適な環境で使用できます。
あと、Asusでさえ提唱していないけど、テスラの15インチディスプレイを日本の安い軽自動車で実現することもできます(笑)イーロン・マスクに鼻で笑われるでしょうけど、N-BOXやタントにこんなどでかいナビつけたらおもしろくないですか?CarPlayやAndroid Autoじゃなくて、スマホ画面をそのままミラーリングすればいいので、スマホのフル機能を楽しめます。
今回購入したものはタッチ非対応ですが、ASUSよりも早く10点マルチタッチに対応させた商品などもあるので、タッチ対応だとスマホとの親和性がより高くなります。
ボールペンがスタンドになるところまで真似てくれているので、使い勝手も上々です。ただ、これだと細かい角度調整ができないので、専用ケースも似たようなものを付属してほしかったです。
基本スペック・重量・サイズ
・サイズ:15.6インチ(16:9)
・パネル種別: IPS
・有効表示領域:345*194 mm
・解像度: 1920*1080
・周波数(H / V):60HZ
・輝度(標準値): 300 cd/m2
・コントラスト比(標準値): 800:1
・応答速度(標準値): 5ms
・デジタル映像入力: 標準HDMIx1、USB Type-C、miniDP
・サウンド出力: ヘッドホン端子x1
・内蔵スピーカー
・電源仕様: 5V -3A
・本体サイズ: 357x225x10mm
・本体重量: 868g
本体サイズはバッテリー内臓のMB16APの850gよりも若干重たい868gというところにASUSの技術のすごさが現れていますが、サイズ面では357x225x10mmとなっており、MB16APの「357x225x10mm」に迫る携帯性です。
MB16APやMB16ACがType-Cポートしかもたないのに対して、EVICIV 15.6 モバイルモニター等の中国製品はHDMIポートや、給電ポート、ヘッドホンジャックなどてんこ盛りなインターフェースが特徴となっています。Type-Cを持たない機器はたくさんあるので、戦略としては間違っていないかもしれません。
開封の儀
大体パッケージで中国製品の当たり外れは決まってくるのですが、外箱はなかなかクオリティーが高く当たりっぽかったです。
こういう説明書き適当なところはハズレ臭もしており、結局使ってみるまでわからない製品でした。
梱包はしっかりしているので、輸送中の衝撃でモニターが割れてしまったりというのは考えにくそうです。
クッションをどけると、モニターは更に一枚薄い緩衝材で包まれていました。
液晶部分は保護シートがされていて、指紋などもなく最低限の品質は保たれています。側面のインターフェース部分も外傷はなく問題なさそうです。
操作ボタンと、インターフェースが右側面と、左側面に別れています。操作ボタン上部にはOTG用USBポートもあります。
操作ボタンは若干の遊びがあって、モニターを振るとシャカシャカします。誤作動を起こすわけではないですし、携帯ケースにいれれば全く気になりません。
日本語マニュアルあり
乱立するモバイルモニターのレビューをみると「説明書がない」という理由で評価が低いものが多かったのですが、今回購入したEVICIVには日本語マニュアルが入っていました。
正直「こんなのマニュアルいる?」って個人的には思うのですが、重要に思っている方も多いようなので念の為ご報告。
アフターサービスの窓口は使用していませんが、12時間以内に返信しますとかかれており、窓口は用意されているようです。
モニターを取り出すと、付属品が入っていました。この付属品に入っていたType-CケーブルのおかげでOneMix 2SがDP Alt Modeに対応しているというのがわかったので、ついつい興奮してTwitterでもすぐ報告したほどです。
あまり他社のケーブルとかが入っているのはみたことがないのですが、UGREENのHDMIケーブルが入っていたり、給電用と映像伝送用のType-Cケーブルが入っていたりと中々の充実ぶりです。これだけで2000~3000円はするのではないでしょうか。
しっかりと安定するスタンドもはいっていましたが、正直こちらより専用のスリーブケースの方が嬉しかったです。
スリーブケースには絶対にない機能として・・・瓶の蓋を開けるオープナーの機能がついています!これならいつでもキンキンに冷えた瓶ビールを堪能できますね。
ちゃんと機能するのか?
スタンド機能はあくまでも簡易なもの
アマゾンから届いたモバイルモニターを早速使ってみました。ボールペンを差し込んでスタンド代わりにします。
細かい角度調整は別途折りたたみスタンドを使うなどした方がよさそうです。あくまでも簡易なスタンドなので角度調整ができません。
HDMIポート+USBでの給電(PowerPointでの使用を確認)
ASUSと違い、HDMIポートがついているので汎用性があります。Type-Cでの給電や映像伝送に対応していない機種でも、うまく画面を映し出すことができます。OneMix 2Sのようなくせのある機種でも難なく成功。ホッとした瞬間です。
ASUSのポータブルモニターではパワー簿速で安定しないことが時折発生しますが、最初からこのように電源を確保することで安定しますし、より広範囲のノートパソコンやモバイル端末の使用を可能にしています。
PowerPointとつなげて、PC側はプレゼンの経過時間やスライドの詳細を確認できる発表者ツールの使用も可能でした。
Type-Cケーブル1本で電源供給+映像伝送が完了
これが一番便利なところなんですが、Type-Cケーブル1本あれば、ディスプレイへの給電と、映像伝送が一気にできます。充電器やHDMIケーブルを持ち運ぶ必要もないので最高に使い勝手がいいです。遅延も体感では一切感じられないです。応答速度は5msということなので、ゲームや動画でも違和感を感じません。
ゲームとの相性がいい
モバイルモニターがあれば、GPD PocketやOneMixのようなUMPCのポテンシャルを最大限にひきだせます。Nintendo Switchだけではなく、小さなディスプレイしかないUMPCもマルチプレーヤーで楽しめるゲーミングマシーンへと生まれ変われます。
Type-Cで接続してみたところ、フルHD 60Hzで出力可能でした。
こんな感じでゲームパッドを持ち運べば、嫌な仕事を忘れてゲームに没頭できます。
スマートフォンを繋げてみた
iPhone向けのHDMI出力ケーブルがあったので、試しに繋げてみました。
手持ちのケーブルだとこのような画面が一瞬でてきて、
すんなり接続完了。
youtubeも全画面で出力できました。
VESAマウントが地味におもしろい
VESAマウント用の取り付けネジがあるので、壁掛けやモニターへの取り付けが簡単に行なえます。GPD MicroPCにネジ穴があったりしますけど、モバイルモニターにネジ穴があるっていうのはナイスアイデアだと思います。
現場での管理モニターであったり、お店での大型広告ディスプレイにしたり、用途は大きく広がると思うのでおもしろい仕様だと思いました。完全なるコピー品かとおもいきや、たくさんインターフェースを増やしたり、こういったVESAマウント用ネジ穴を設けたり、ちょっとしたオリジナリティも見せていて感心しました。
モバイルモニターはUMPCの可能性を広げる素晴らしい商品だった
使えなければ使えなかったで、「やっぱりASUS様一択!」というネタになるのでいいやと思っていたんですが、結構普通に使えて満足です。
でも、モバイルモニターの中のレビューをみると「一週間で使えなくなった。」であるとか、耐久性や初期不良に悩まされている方もいるようです。当たり外れが多いのもこういう格安商品につきまとう問題なので、届いたその日のうちに一通りチェックをして、問題があればすぐに報告するようにするのがいいですね。
注意点として、OneMix 2Sと比べると画面は若干暗めです。RAW画像の現像などには向かないと思います。印刷時とのギャップを考慮してキャリブレーションできるというならいいと思いますけど、間違ってもEIZOディスプレイのような拘りを持った人が手にするアイテムではありません。これは、本家のASUSでも同じ欠点があります。
あとは、何度もいいますがやっぱり専用のスリーブケースは欲しかったです。自分でスタンドとケースを用意して使ってますが、あまりスマートではないので商品に合わせた専用のケース兼スタンドがあれば100点だったと思います。
折りたたみのキーボードと一緒に持ち歩けば、作業がかなり捗ります。「普通にノートパソコン持ち運べば?」という声も聴こえて来そうですが、MacBookでやるのと、UMPCでやるのとでは、やっぱり全然違います。
普段は最低限の装備で、気合を入れるときはモバイルモニターを取り出して作業に没頭というスタイルも、UMPCだからこそ味わえる苦行ということで楽しんでやってます。
今のところ順調に使えてはいますので、このまま長く使えていければコスパも良くて最高ですねヽ(=´▽`=)ノ