Wimaxの電波改善のために奮闘していたら全く関係ないことでふと考えさせられました。以下を読んで頂いてもWimaxの電波向上には一切関与いたしません。
Wimaxをベランダに設置すべく格闘していたら、6階のベランダからよたよた歩いているおじいさんが目に入りました。
ぺたぺた何とか前進していましたが、ついにはしゃがみ込んでしまい、それでも歩こうと頑張っています。この辺りは物騒なので「昼間から酔っ払ってるのかな?」と思ったのですが、道に倒れこむまでになったので、一応声がけをしようと思っておじいさんのところへ。
その後おそらく何度か倒れたのでしょう、近くのコンビニには倒れる度に沸く中学生たち。世も末だな思った視線の先には一人の若い女性が車をとめて介護を始めていました。聞くと家族や身内ではなく、たまたま通りすがった看護師さんらしいです。
同乗者がいれば、「今の見た?大丈夫かな?どうする?」なんてこともできるし、私みたいにベランダからぼーっとみていれば「行こうかなー、どうしよっかなー?」なんて悠長に考える時間もありますが、一人で運転中に間髪言わさず車を脇に止めてすぐにかけつけたこのお姉さんには頭が下がります。
しかし、当の翁は碌に立つこともできないのに、「大丈夫です。」の一点張り。酔っ払いではなくしっかり受け答えはできていたのですが、もう歩くことは無理だと感じました。病院はいかない、係りつけはいない、家に家族はいない、近所に知り合いはいない。でも家にケアワーカーがくるから早く家に帰りたいとの事でした。車で送りますよという提案には素直に「お願いします。」ということだったので、色々心配だけどとりあえず家に送ってご近所の方に事情の分かる方がいれば聞いてみようということで、看護師さんと一緒に自宅へ送ることに。おじいさんは「ありがとうございます。」といって100円を私にくれようとしましたが、ソフトバンクの紙袋一つ握り締めてよたよた歩いているおじいさんから受け取れるわけがありません。ランボルギーニに乗って、Bottegaのセカンドバックを持っているようなチョイ悪じいさんなら1万でも、10万でも喜んでお礼を頂きますが、これは無理。未来の自分を見ているようで泣けてきます。
着いた自宅というのは「介護・老人ホームサービス付きの高齢者向け住宅」。玄関のベルを押して奥から担当マネージャーという方がやってきました。マネージャーさんによると今回のようなことは初めてとのことでした。しかし、あわてる様子もなく名刺をくれて翁をマンションの奥へと連れていくのでした。
おじいさんはこの高齢者向け住宅から1キロほど離れたカフェにコーヒーを飲みに行き、帰りに歩けなくなったそうです。歩けなくなっても老人ホームに連絡をするでもなく、助けを請うでもなく、何度も地面に倒れても歩き続けるという・・・。なんでしょうね。
父も同じように倒れて(父の場合は脳梗塞)、一度目は軽度の後遺症ですみましたが(側に母がいた)、二度目、三度目と同じように倒れてどんどん麻痺がひどくなりました。さすがに三度目は本人もわかっていたようで、周りに気を使うことなくすぐに医者につれていってくれということで迅速な対応ではあったのですが、倒れた場所が国外ということで適切な処置が難しく結局重度の後遺症が残ることになってしまいました。
よくメディアや周りは中国の「腐ったチキンナゲット」や「見て見ぬふりをする中国人」などを揶揄しますが自分たちの「カビ米」や今日のような出来事はそれこそ「見ぬふり」をします。これがもし一人で上京していたときの自分の身に起こっていたらと思うと・・・怖いですね。
Wimaxの電波は拾えなくても、困っている人を見逃さないアンテナや、光回線並みの対応の速さは忘れないようにしたいです。